母が父に願った約束はアパルトヘイトの時代から、ずうっと残り続けてしまう。時代の移り変わりとともに家族もまた変貌してゆく。
母の死から物語は始まる。母の願った約束を基軸に父、姉、兄の章へとつながってゆく。だからと言って約束が家族の絆になっているわけではなく、どちらかと言えば忘れ去られている。近くではないけれど遠すぎるわけでもない各々の生き方が語られる少し奇妙な感じのする小説だと想う。
兄は父の葬儀でゴドーを待ちながらの人物名を出すのだけど、彼は本好きだったのだろうか、後に小説家を目指すのだけど、そんな雰囲気はどこにも醸されず意外性だけが残る。同じように母も、父も、姉も、そして妹も葬儀の中でしか描かれない。
何故かエンディングは有名な映画を思い起こさせた。