朝と夕を読んでみた   ヨン・フォッセ 著  伊達朱実 訳

  漁師の誕生と死の二部だけの物語り。


 誕生の情景は父の話が書かれていて、その父も漁師だった。そして二部がいきなり始まる。赤子は年金生活者になり、つつましくも七人の子供を育てた。素朴で朗らかな日常を思い出しながら、いつもと違う日を過ごす。鎮魂曲は聞いたことがあるけれど鎮魂文は初めてな気がする。老いて穏やかな時がふるのはどこか時を忘れたかのよう。