迷宮の将軍を読んでみた  G・ガルシア=マルケス 著  木村榮一 訳

  19世紀初頭に南米をスペインから解放した北の英雄シモン・ボリバルの最後の旅路を描いた物語り。ちなみに南の英雄はホセ・デ・サン・マルチン。


 47歳と普通なら脂ののる若さで世を去った。ずっと結核を患っていたようだが、医者嫌いで療養がなされず、ペルーの大統領を辞してマグダレーナ河を下る様子が描かれている。スペインから解放した後は内紛が繰り返し起こり、気の休まる時はなかったようだ。この最後の旅路においても瀕死の英雄を担いで隆起しようとする支援者に押されることになる。
 これが19世初頭なのだけど、結局現在でも混沌とした政治であることを考えると平和へ進歩することの難しさを感じる。ボリバルはベネゼエラ、コロンビア、ペルー、ボリビアを解放したけれどどこも共和国にしたことが先進的だったのだけど望んでいた大コロンビアを考えるとマッチングに無理があるように思える。そこが迷宮なのかも知れない。
 この物語の中で気の毒に思うのは召使のホセ・パラシオスだ。あまりにも主人に仕えてきたために主人の死後は亡霊のようになってしまったようだ。そして将軍は百年の孤独の人物を彷彿とさせてくれる。