彼女と彼の話かと思ったら、男同士の友情な話だった。なぜか知らないけど浜田省吾の唄を思い出した。どっちも省吾なんだ…
タイトルもだけど本のカバーを見てもボクサー同士の話とは思わないのでやぶからぼうのような出だしには戸惑った。あしたのジョーのような設定だけど、それほどロマンチックでドラマっぽい話ではないけれど裏微れた日常に陽が差し込んでくる。 葬儀のシーンから昔日のシーンへと移り、彼との出会いから始まる。そしてまた令和の時代に戻ってくる。ボクシングの描写はリズムがよくパンチの効いた空気が切れる文が好ましく、好きなことで生きている溌剌さがある。昔日な日々と現在では30年ほどの時が流れているのだろう、そこに積み重なった年輪のようなものが写せるとより良くなるのだろう。