ウォーキングを読んでみた   ヘンリー・D・ソロー 著 大西直樹 訳

  この作品は彼の死後1862年に出版されている。ミネソタ州コンコードなんて今でも田舎でシカゴよりも北にある。自然を求めてと言うよりは野生のなかに根源を見つめてやまない思いから人の有り様を理路整然と述べている。


 ウォーキングとは散歩のことのように思えるけど、作者にとっては荒野を西に向かって訪ねることのようだ。1860年はリンカーンが大統領になり、翌年から南北戦争の始まった時代だ。そのころにミネソタ州なのだから、周りは自然でしかないように思える。
 そんな時代なのに都市部の行き方には疑問を呈し、自然の摂理の中にどう生きるかを説いている。日課で歩いているけれど、田んぼの周りを回り、ちょっとした山道を行く。それでも作者のウォーキングには当て嵌まらないようだ。
 作者は西へ赴くことが好きなのは、アメリカ東部は都市であり欧州に近くなる。でも西はまだまだ未開拓の地であり、そこに佇むことが生命を吹き込むのだろう。