ヒラリー・ハーンの耀く高音域のヴァイオリンを聴く

 Youtubeで良く聴いていたのでCDを買ってみました。2002年の録音で、メンデルスゾーンop64、ショスタコーヴィチop77のヴァイオリン協奏曲です。11歳でデビューですから、この録音時ですでにキャリアは12年となりちょっと驚きです。でも、五嶋みどりも11歳でニューヨークフィルと上演してますから、珍しくもないと言えばそうなのかもと思える。

 メンデルスゾーンよりショスタコーヴィチの方がグッとくる感じで、エネルギッシュに弾きまくる音に弾きこまれれるのだけど、オーケストラの音がもやっとしていて、アンバランスなのが気になって仕方がない。情緒的な音を求める方にはメンデルスゾーンop64は不向きだと思えるのでしょうが、テンションの高い音の連なりはエレキギターの早弾きで育った人種には心地良いです。そのあたりでは五嶋みどりさんも似た傾向だと思えます。幼くしてデビューする人は既に技術ができているわけで、子どもの頃の方がよりアップテンポに指が動くだろうから似てくるのでしょうかね。



 ショスタコーヴィチの音楽は交響曲などを聴いても近代的だなと思える。音の飛び方を聴いているとインプロビゼーションでディストーションするところがチラッと垣間見える。そんな意味でもハーンの弾き方はショスタコービッチの音楽とマッチしているのでしょう。でも、何故かサンプル録音はメンデルスゾーンである。