パブロ・カザルスは1876年にスペインのカタルーニャで生まれる。パブロと言えばピカソを思い出すのだけど、やっぱりカタルーニャ生まれだから、この地方では多い名前だったんでしょうか。カザルスはチェロ弾きとして夙に有名な方で聴いているレコードはバッハの無伴奏チェロ組曲です。これをSonus Faber Minima FM2なるスピーカーで弦の擦れる音がなんとも美しい。小さなスピーカーなので低音部の空気が揺れるような豊かさはでないけど、11cmのコーンから出る音は情緒に溢れている。ツイーターの奏でる高音部は絶品でチェロの音は低めだけど麗しいメロディが流れてくる。
無伴奏チェロ組曲のレコードは3枚セットなので、一回に聴くのは1枚にしている。3枚も聴こうとすると疲れてしまうのだ。なにせBGMで聴くよう類ではなく、演奏者の力がぶつかってくるのでどうしても正面を向いて聴いてしまう。それにしてもチェロの最も低い音は唸りのようになり、思いのほか低い音がでるので驚く。ヨーヨーマの音は心地よく洒落たように聴こえ、唸るような音を感じていない。もっとも同じ曲を聴けば違うのかも知れないが、カザルスの音はガシッとしていて一音一音が塊のようでいてこれがバロックだと思い知らせてくれる。