ロックバンド レッド・ツェッペリンを聴く

 ビートルズのアビーロードを抜いて全英ヒットチャートアルバム1位になったのがセカンドアルバムLED ZEPPELINⅡである。ロック史上燦然と輝くアルバム『アビーロード』にとって代わるのだが、これもまた名盤の中の名盤であると思う。メロディラインの綺麗なビートルズからハードロックと呼ばれる時代への変節点であり、大音量とともにエネルギーが溢れかえっていた中に若者として拙者も宝物のようにロックを聴いていた時代である。


 メンバーは4人で誰もが稀有な存在だったため、ドラマーのジョン・ボーナムが急逝したため解散してしまった。未だに続きを聴きたかったのは拙者だけではないだろう。ベースのジョン・ポール・ジョーンズと創り出すグルーヴ感はとても心地良いし、ジミー・ペイジの弾くギターラインに合わせてリズムをうねらす一体となったサウンドは他ではマネができない。ロック・ドラマーとして最高の呼び名が高いもう一人のドラマーであるキース・ムーンとは親友であり、当初のドラマー候補だったことは面白い。ドラマーで好きなのは、ジョン・ボーナム、ジェフ・ポーカロ、スティーブ・ガッド、トニー・ウィリアムス、チャーリー・ワッツかなと思う。
 ファーストアルバムの1曲目Good Times Bad Timesを聴いた瞬間に虜になり、ロバート・プラントの高い歌声が脳天をぶち抜かれたことが蘇る。そしてこの2枚目はよりハードな音の展開でエネルギッシュなまま1枚があっというまに終わってしまう。作曲的には他者の歌詞やメロディラインを意図的に嵌め込んであるため、いろいろと物議をかもしたようだが、名盤であることは疑いようのないことだと思う。

 レッド・ツェッペリンで所有していなかった唯一のアルバムはサードだけで、移民の歌が有名な曲だ。これは発売当初、アコースティックな編成になっていてハードロック路線から外れたと言われたことと移民の歌のリフレインがやっぱりセカンドの雰囲気と違うのがあって、ついに買わずじまいだった。
 随分と時間が経って、やっぱりツェッペリンファンとして欠落は淋しい限りと思い、リマスター盤のデジタル音源をHDtracsから買ったのだ。


 これが実に録音がいい!プラントの叫び声が彼方に響くかのようなエネルギッシュで感動ものだ。全曲を聴いてみると、どの辺りがアコースティック回帰などどいう論調になるのか不思議でならない。
 全曲エネルギッシュだし、ペイジのギターにボンゾのドラムが絡んできて、独特のグルーヴ感が堪らない。そしてこの曲調はフィジカルグラフティの前哨であることは明白だと思う。うーん買って良かった、今聴いても斬新だ。