ポイント・オメガを読んでみた   ドン・デリーロ 著  都甲幸治 訳

 Ωとαはギリシャ文字の最後と最初、これを万物の最後と最初という意味もあるようだ。この本の中に2回ポイント・オメガという言葉が出てきて簡潔に述べているけれど何を指しているのかは読み手の心にあるようだ。この本を一言で表すのであれば、人生の透き間のように思える。

 本の構成は3部に分かれているのだけど、とりたててつながりがあるようにも思えないけど、最初と最後の部は3日と4日であり、時間のつながりはあるようだ。中央の部がほとんどのページを占めていて、撮影したい映画を出演依頼する人物に語っているのだけど、そういう雰囲気の文を書きたかったように思える。そこに存在すればよいだけのなのだろうけど存在しているのであろうか。