バカルディをモヒートにできんかった

  日本はいつの間にか熱低地域になってしまった。台湾も暑かったけど37度を超す様なことはなかったように思う。まさに熱いのである。そういう時に飲むものは何かと言えば、モヒートである。キューバの方はみんな飲むと聞いておる飲み物だ。必要なものは炭酸水、ラム酒、そしてミント。

 炭酸水と言えばウィルキンソン、ちょっと固めな感じのするお決まりのブランド、しかも安い。次はラム酒、海賊の最も好きな飲み物とされている。ラム酒は色によってカテゴリーが判れていて、ウィスキーのような褐色したダークラム、有名なのはマイヤーズだけどこれはジャマイカ産、薄く金色のような風合いがゴールドラム、好きなのはハバナクラブのゴールド、そして透明なのがホワイトラム、まぁ言わずもがなでバカルディでしょう。そして肝心なミントは家の裏に生えているはず。だったのだけど、綺麗さっぱりにない。なんとカミさんが鬱陶しいと言って引っこ抜いたらしい。もう、ガックリです。


 ラム酒はサトウキビからできているとはいえ甘くなく、アルコール度数も40度以上あるのでロックで飲むと喉が灼ける。夏なので大きめのグラスに氷をたっぷりと入れる。クラッシュした方が雰囲気がでるけど、面倒なのでそのまんま。バカルディをグラスの1/4まで注ぎ、炭酸水をたっぷりと入れる。ミントがなかったので、生姜をすって天然のラムバック、これは苦味がいいのだけど生姜が火照る。2杯目はスダチを切って絞る、柑橘系のサッパリとした風味が夏にあう。そして3杯目、冷蔵庫にあったレモン汁をチャッチャと振りかけて、ちょっと甘酸っぱい人生を飲み干す。最後は何も入れずにハイボール、ウィルキンソンの固い泡がスッキリと喉を洗ってくれた。


ラズベリーパイを音楽サーバーにしてみる

  ラズベリーパイの安さにはビックリ!して買ってみた。イギリス人はどうしてこういうことが考えられるのですかね、教育用に安価なワンボードコンピューターを作ってしまう。しかも、USBの差込が4か所もあってHDMIもあり、電源供給はタイプCときている。音楽を聴くためだけなら、メモリは2GBで十分なのでラズパイ4を選んだ。
 なにせ3b+より安くて電源供給量がアップしているから使い易そう。秋月電子で樹脂ケース、16GBのmicroSDカード、DC電源アダプターを揃えて買っても1万円で結構なおつりがきて、実にありがたい。本体の箱も洒落ていて、こういったところのデザインは外国にはかないそうにもない。

 音楽ソフトは定番のVolumioをダウンロードしてmicroSDカードに書き込むのだけれど、VolumioはOSも兼ねているので起動用にインストールする必要があり、専用のソフトを使用した。PCがMacなので「Etcher」というソフトをダウンロードして書き込み。microSDカードは新品だったので既にフォーマットされていて、そのままで使えたのだけど、Macの挿入口はSDカード用なので、ケースアダプター探しに一苦労して書き込んだ。ラズパイ基板の裏面にカードスロットがあるので、差し込んで電源を繋ぐとあっけなく立ち上がった。ラズパイにはスイッチがないので電源の差込がスイッチの代わりになる。

 




 ラズパイには画面がないので、MacのWi-Fiマークを開くとVolumioというルーター名がでるので、それをクリックするとパスワードを聞かれますので、volumio2と入力するとVolumioの設定画面が出ます。ケーブルを接続しなくてもVolumio自身がWi-Fiホストになってくれるのでとっても楽ちんです。設定は最初に日本語設定を行い、次に自宅のWi-Fiルータに繋いだ方が良いのでネットワーク設定を選んで自宅のルーター名を選択し、自宅ルーターのパスワードを入れてvolumioのWi-FiであるHotspotをOFFにします。これでセキュリティも通常通りになります。
 拙宅にはNASがないので後はデフォルトのままで、USB-DACを繋ぎ、VolumioのUSB-DAC選択項目をクリックしてアムレックのAL-384を選択しました。うーん流石ですね、日本のアムレックが設定されているとはgoodです。このDACの正式型番はAL-38432DSⅡで結構古い年式になってしまいましたが、DAC ICにはESS Technology社のES9028Q2Mを搭載していて安価で音も良いという隠れた名器だと思います。
 アナログ部分はディスクリート構成になっていて、基板ディップ部品で構成されているのに素直でモニターライクな音がでるのです。しかもDSDネイティブで11.2MHzまで再生すると言う優れものです(ASIOのみ)。拙宅のMacだとASIO対応ではないので5.6MHz(DSD128)までの再生になってしまうのが残念です。そして、DACとアンプをRCAケーブルでつなぐとオーディオから音が出るようになります。




 ではVolumioの中からWebラジオを選択してみると、女性ヴォーカルのJAZが麗しい唄声で鳴っている。大抵はどこかで躓くのだけど、今回はなんの弊害もなく音が出た。次に手持ちの音楽ソースをどうやって鳴らすかなのだが、MacのiTuneの場合はAiePlayというWi-Fi接続が可能と言うことで、MacのApple メニュー  >「システム環境設定」>「サウンド」から出力先をVolumioにするとiTuneの再生ができた。
 音質的にはMac→DAC→アンプの方が鮮明に聴こえる。また、Wi-Fiのつながりが切れることが在って音が途切れることもある。これはMac‐ルーター①‐ルーター②‐ラズパイというネットワーク構成の問題もあるように思える。それにVolumioではDSD256が再生できる仕様なのだが、どのDACに対応しているかがよく分からない。Mac→DAC→アンプで聴くDSD128は鮮烈な音が印象に残るので、なんとかラズパイで再生したいものだ。




 まずは、Macが音楽サーバーにならないものかと、VolumioのNAS設定を何回もトライしてみたのだが、認識してくれない。SSH接続までして設定を変えてみてもダメだった。Macのネットワークを見るとラズパイを認識はしているのだけど、VolumioのmicroSDの中身は見えない。仕方がないので容量の少ないUSBメモリに1曲入れてラズパイに差し込んでみた。Volumioのソース元としてUSBの項目をクリックしてみると音楽名が表示され再生ができた。それならば、USBの外部記憶装置を付ければVolumioの機能だけで音楽サーバーができそうだと思い、バッファローのUSB‐SSD容量1Tを買うことにした。
 SSDならDSD256を聴いてもアクセス速度で詰まることはないし静かだし破損しにくい。それで1万円弱で買えてしまうのだから、世の中の進歩には驚くばかりである。USBバスパワーで動作するのだけど、ラズパイの電源容量が小さいのでDACと合わせて動作がちょっと心配、でもSSDなら消費電力も小さいので何とかなるでしょう。ダメだったらDACの外部電源を使おうと思う。

 USB‐SSDが届いたので開いてみると、小さくて薄っぺらい、ちょうどオルトフォンのMCトランスT-30の上に置くとピッタリのサイズで塩梅が良い。取説を読んでみるとやっぱりフォーマットをし直さないとMacでは書き込めない。フォーマットは1ファイル4GB以上の移動、書き込みができるexFATにしないとDSD256の音楽ソースを聴けない。それにexFATならWindowsでも読めるし都合がいいのだけど、ラズパイではどうなるのか分からないのがちょっと心配。LINUXでもサポートされたし、VolumioはRaspbianを基に開発されてるようだから、何とか認識して欲しいものだ。
 MacにUSB‐SSDを接続してexFATを選んで消去ボタンを押す。マックではフォーマットを消去と呼ぶらしい、きっとフォーマットしたら全部きれいになくなってトラブルになったのだろう。実に新品なので1秒もかからずフォーマットされた。あまりにも早いので疑って2回もしてしまった。まずは、iTuneのフォルダのMusicをコピー、つぎにDSDのHi-resフォルダをコピーするのだけど、容量が大きいとexFATはハングアップするとの記事もあったので、1ファイルごとコピーした。Macの内臓記憶装置もSSDなのでコピーする時間が早い、最近のPCはCPUよりディスクのアクセス時間の方がネックだから重宝する。
 さて肝心のラズパイにUSB‐SSDを接続し、コンセントを入れる。LEDがチカチカ光って動いている。Macでブラウザを立上げアドレスにVolumio.localと入力して接続、VolumioのUSB項目を開くとMusic、Hi-resのフォルダがありました。因みにヴァージョンですが、Volumio ver2.806です。大したもんです、exFAT形式を認識してくれました。感激!各フォルダの曲名にサムネイル画像もついて表示され、アルバムやミュージシャン別だけでなく、音楽ジャンル別にもインデックスがついて整理されるようで、無料ソフトとしては素晴らしい。




 iTuneのフォルダからのコピー曲は、アップルロスレスALACでのオーディオコーデックになっていますが、CDと変わりない音に聴こえます。Webラジオだと音のエッジが甘くなり、ちょっと生ぬるい感じでしたが、確実にレベルアップしています。
 さてDSDの方ですが、こちらは鮮烈な音がして更にレベルアップした音になり、iPhoneからも気軽に選局出来て嬉しい。今までだとMacのDSD再生アプリのタスカムを立上げ、曲をドロップして聴いている時にMacのスクリーンセーバーが立ち上がると曲が切れてしまう状況でしたから、随分と良くなりました。DSD再生はPCM384KHzになってしまい、ネイティヴ再生ができません。きっとDACとの問題なのでしょう。
 しかし、Volumioの再生方式をDoP(DSD over PCM)にするとDSD5.6MHzで再生してくれます。なんですが、なぜかDSD256の曲は384KHzになってしまいます。Macだと5.6MHzになるのですけど不思議です。いずれにしても786KHzにはならないので、曲の購入時にDSD128を選ぶしかないようですが、DACをもう1台買うというのもありかと思える。旭化成の高性能DACなんかでDSD256を聴いてみたいですよね。

 VolumioでexFATのUSB‐SSDを認識してくれたので、Macの記憶容量を気にせずに音楽を愉しめそうです。レコードも楽しいので悩みが増えました。

 CDのリッピングに関してはアップルロスレスのフォーマットになっているけれど、CDプレーヤーから聴くのと変わらず音質の劣化は感じません。音の鳴り方としては、CDプレーヤーの方が僅かに艶があって華やかに聴こえますが、CDプレーヤーのオペアンプはMuses03でDACの方はディスクリートなので、その差だと思います。
 これなら、音楽専用NASのDELAを買わずに済みそうです。カルロス・クライバーの魔弾の射手をリッピングして聴いてみました。カルロス・クライバーは入念な練習を繰り返すそうで、緻密な音の織りなす細やかさと響きの美しさが出ていると思います。

追記:DACを旭化成AK4499チップのTopping D90にしました。
   これは驚きの音です。
   工場火災で入手困難になったチップのようで後継機種のD90SEは、
   ESS Technology 社のチップに変わりました。


Topping D90:レビュー
マイルス・デイヴィス Topping D90



ウィーン室内合奏団(ゲルハルト・ヘッツェル)を聴く

  室内楽曲の音は楽器数が少ないのでなんとか聴き分けられることができ、オーディオの調子を診るにも良いし、織りなす調べにゆったりと身を任せる時間も心地良い。ベートーベン7重奏はベートーベンの初期の頃の作品だそうで、交響曲第1番のころだと言うからかなり初期の作品らしい、なんとも朗らかな旋律でいかにも午後の室内楽曲を愉しむ風情があり、ベートーベンの理屈っぽい重苦しさが無くて気楽に聴ける。楽器構成は、クラリネット、ファゴット、ホルン、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスです。


 ウィーン室内合奏団を創設したゲルハルト・ヘッツェルは1971年にウィーンフィルハーモニーの第1コンサートマスターになった人で、1992年に山岳事故で亡くなっています。享年52歳と演奏者として充実した時期に惜しまれる事故です。そしてこの楽曲はその亡くなる1ヵ月前の録音なのです。ウィーンフィルのそうそうたる方たちですから、演奏は優雅そのもので旋律が美しく浮かび上がります。小春日和の午後に丸みを帯びた深みのあるティーカップにダージリンを濃い目に煎れて、クッキーを齧りながらしらべが流れてゆきます。


カーメン・マクレエ & デイブ・ブルーベック TAKE FIVE を聴く

 ニューヨークのベイスン・ストリートというナイトクラブのライブアルバムでデイブ・ブルーベックと出ている。ジャズクラブの雰囲気が充満していて、その中で聴くカーメン・マクレエは活き活きしているのがよく伝わってくる。1958年と1961年の録音になっていますが、1958年の録音はライブではないようです。今でもこのクラブがあるのでしょうか?ベイスン・ストリートと言えばジャズのメッカ、ニューオーリンズの通り街でベイスン・ストリート・ブルースという唄が有名です。きっとそこから取った屋号なんでしょう、ジャケットの表紙がリアルな店だとしたらとても粋で渋いクラブに見えます。この時代にナイトクラブでジャズを聴いている人たちから、おおらかでシックな雰囲気を感じるのは自分だけなんでしょうか。

 39歳のころですから、もっとも脂が載っている唄声を聴くだけでも楽しいのですが、デイブ・ブルーベックのピアノと醸し出すブルージーなジャズが鳴かせます。ビリーホリデー張りに唄ったアルバムや代表作と言われるグレート・アメリカン・ソングブックも良いですが、ナイトクラブの中のジャズがもっとも似合うように思えます。




MILTY DUO-PAD レコードクリーナー

 英国はミルティの定評あるレコードクリーナーDUO-PADを格安で手に入れました。中古なんですが、新品同様でとってもありがたいです。MILTYはArmour Homeという企業のブランドの一つになっているようで、カートリッジで有名なGoldringもあるんです。
 長さがちょうどレコードの溝がある半径と同じでくるっと回すとクリーニングが終る。拭き取り面が2面あるので、乾式用、湿式用と使い分けることも可能だ。しかも各面が黒と赤と色違いなので間違えることが少なく気が利いている。片側ずつ蓋を外せるので、レコードを拭くときに持つ手が汚れず良く出来ている。スポンジの両面にフェルトのような生地が貼ってあり、見た目にもきめ細かいのがわかる。実際に拭いてみると、レコードの盤面に吸い付くような感じでピタッと密着し、盤面に艶がでるかのように綺麗になる。ちょっと感激、いつもは取れない粒のゴミが残るので擦るように拭き取っていたのがパッと取れる。


 レコードの静電気は取れないので、まずはサンダーロンの静電気除去ブラシで埃を払いのけ、レコードをターンテーブルの上に載せてからDUO-PADで拭きあげると綺麗になり、とても重宝している。すごく細かい埃が集まってきて、最後は外に掻きだすように拭き取るとスクラッチノイズが随分となくなっているようで、レコードを聴いていても気分が優れてきもちいい。
 拭き取り面が黒色と赤色の2面あるのだけど、色が違うだけかと思ったら拭き心地が違うのだ。黒い方は密着度が低く粗い感じで大まかなごみを取り、赤い方は密着度が高くレコード面を舐めている感じで塵のような細かいのが集まる。この細かい塵は静電気ブラシでも取れず、レコード面にへばりつくように密着しているから、取り切れないようだと洗剤で洗った方が良いようだ。ロングセラーであるのがよく分かる。