実存主義のカフェにて  サラ・ベイクウェル 著 向井和美 訳

 実存主義といえばサルトルを思い出す。その通り、サルトルを中心とした実存主義哲学にそった人たちを振り返り、その方達の考え方や生き方が見事に語られれている。


安価なカーペットで魔法の低音

 2階の薄いフローリングにスピーカーがある。オーディオで一番お金がかかると思えるのは家だと思われる。部屋も狭いのでスピーカーはトールボーイでウーハーは150mm、TANNOYの Precision6.2LEというタンノイらしからぬ音にキレとスピード感がある。低音も引き締まった良い音なのだけど、ウッドベースの低い音が逃げているようだ。


三十九階段を読んでみた  ジョン・バカン 著  小西宏 訳

  1915年に書かれた英国の冒険スパイ小説の古典を読んでみた。本に付いている帯にはヒッチコック監督が映画化とも記されている。


シューベルトの手当てを読んでみた  クレール・オペール 著  鳥取絹子 訳

 チェロを認知症や自閉症の方々、癌末期の患者さんに奏でながら手当を探る記録であり、音楽と人生を紡ぐ詩である。


パリ環状通りを読んでみた  パトリック・モディアノ 著 野村圭介 訳

  作家は1945年生まれのフランス人でノーベル賞をもらっている。何冊か読んだ本はこの小説の雰囲気を醸している。


ジョゼフ・フーシェを読んでみた シュテファン・ツヴァイク 山下 肇 & 萬里 訳

 バスチーユ牢獄の暴動から始まるフランス革命時代を生きた政治家ジョゼフ・フーシェの評伝、作家の批評家と言うとそうでもなくてフランス革命〜ナポレオン帝政〜王政復古までの当時の批評のようだ。


更に、古くて素敵なクラシック・レコードたちを読んでみた  村上春樹 著

  更にとあるのは続編だからです。でも、なぜか続編から読むことになりました。見出しは曲目ごとで104あり、曲目によっては上下になっているものが15ありますので、実際には119の見出しに相当します。だいたい見出しごとに4〜6枚のレコードを紹介していて、一つの見出しを5枚で単純計算すると5*119=595枚になります。


ATH-ESW9LTDを買ってみた:レビュー

  オーディオテクニカのヘッドフォン ATH-ESW9LTDは2014年11月21日発売なので、すでに10年ほどの歳月が流れており、生産中止になっている。なので中古品になりますが、音はいたって康らかで艶がある。


高い窓を読んでみた  レイモンド・チャンドラー 著 村上春樹 訳

 フィリップ・マーロウ、言わずと知れたハードボイルドを産んだ探偵。昔にチャンドラーの名作と謳われた長編を読んでいるのですが、文章が短絡的で粗かったためにずっと読まずに 過ごしてきた。でも、村上春樹という名が記載されているのを見つけ本を手にとった。


地下で生きた男を読んでみた  リチャード・ライト 著  上岡伸雄 訳

  2024年2月に発刊された本でタイトルを含めて6本の小説がまとめられている。どれも黒人が主人公であり、コペンハーゲン以外では人種差別への無力感が漂っている。


『七つのゴシック物語』を読んでみた アイザック・ディネーセン 著 横山貞子 訳

 デンマークの女性作家アイザックの短編集(2巻)。どの作品も貴族やブルジョワが出てくるので19世紀初頭なのでしょう。キリスト教の思想を背景に時代の観念をすこし懐疑的に話している。1934年のデビュー作であり、どの小説も知的なセンスとユーモアを持ち合わせている。


MDR-Z7M2を買ってみた:レヴュー

 ソニーから出ているヘッドフォンMDR-Z7M2を買ってみた。密閉式は初めてなのでどんな音になるのかとても楽しみです。それに70mmという大口径なドライバーが興味をそそります。


LUXMAN P-1u ヘッドフォンアンプを買ってみた:レヴュー

 ヘッドフォンを鳴らすのにパワーは少なくても良いのだけど、なかなか良いアンプが見当たらない。そこで、LUXMAN P-1uを買ってみた。2009年10月の発売なので既に20年を越す歳月を過ぎているものの味わいは年代物のスコッチのようだ。 


『マーリ・アルメイダの7つの月』を読んでみた シェハン・カルナティラカ 著 山北めぐみ 訳

  スリランカ内戦の時代をカメラマンが生死を通して眼にした物語。ここ数年の中で読んだ本の中でとても良い本の一冊。文章が活力に満ちてきてその中の渦に巻き込まれる。


マイ・サンズ・ストーリーを読んでみた   ナディン・ゴーディマ 著  赤岩隆 訳

 題名は息子の話なんだけど、どっちかと言えば父の話だと思う。1923年生まれの南アフリカ共和国のノーベル賞作家が1990年に書いた小説です。


ジャズピアノを読んでみた マイク・モラスキー 著

  『ジャズピアノ』というタイトル、しかも上下巻と2巻の大作なんです。サブタイトルに歴史から聴き方までと銘打ってある。表紙がこれまたいかにもジャズなんで、思わず読んでしまいました。


霊山を読んでみた  高行健 著  飯塚容 訳

  1940年中国生まれ、フランスに亡命したフランス国籍の作家。ちょうど亡命したころに発表したのが、この『霊山』という小説で霊山へ向かって旅をするのだけど彷徨っているのは自我なのだろうか、それともそれ自身が霊山なのであろうか…


アフリカの日々を読んでみた  アイザック・ディネーセン 著  横山良子 訳

  ひとが生きるというのはこういうことなのだろう。ここにはコミュニティがあり、為すべきこととは有り様をそのまま受け入れ踏み越えてゆく泰然自若とした大地にある者なのだろう。


LT1115 + LT1010 フォノイコライザのノイズ対策

 オペアンプ LT1115のフォノイコライザーを使ってボリュームを上げるとノイズが出るので対策してみた。ぺるけ式フォノイコライザーと切替え式になっている。

わたしが消えるを読んでみた  佐野広美 著

 2020年江戸川乱歩賞を受賞した物語『わたしが消える』、推理小説と言うよりはミステリーなのかもしれないけど、アラン・ポーの匂いがした。


クジラと話す方法を読んでみた トム・マスティル 著 杉田真 訳

  作者はカヤックに乗ってカリフォルニアの海でホエールウォッチングを楽しんでいた。そこにザトウクジラが身を翻しながら空を飛んできて、豪快な水飛沫の中に二人は消えた。この映像がYou Tubeで公開され記録的なクリック数を起こす。


EAR834Pフォノイコライザを買ってみた

  EAR834Pは真空管アンプで有名なティム・デ・パラヴィニーチの作ったフォノイコライザです。MCの回路にはトランスが組まれていて彼らの造るトランスには定評があり、それを期待して買ってみました。


老語………1

  下の階から何やらゴソゴソと音がする。どうも朝らしい、まだまだカーテンは薄暗く冷たい静けさが覆っている。目覚まし時計の音も鳴らず、起きる時間を気に留めることもなく毎日が日曜日とは言うものの不規則な生活を営めるほどの可笑しさもなく流れてゆく日常は仕合せなのであろうか…


『秋』を読んでみた  アリ・スミス 著  木原善彦 訳

  スコットランド出身で1962年生まれの還暦を超えた作家。この本は2017年に発表されているけど、若さの中に知的な構成力を感じさせる文体で面白い。


MCトランスでノイズが出て困った時の配線

  MCトランスを別のアンプに接続してみると何故かノイズが出ることがある。これが実に困ったもので、位置を変えてもブーンと言う音がボリュームを上げると出てしまう時がある。複数台のアンプを相互接続しているせいなのかも知れないが、よくわかりません。

小さきものたちのオーケストラを読んでみた チゴズィエ・オビオマ 著 粟飯原文子 訳

  小さきものたちとは鶏のことのようだけど、鶏がマイノリティだとは思えない。各章に小さなタイトルが付いていて、その中の一つが本のタイトルにになっているけど、なぜこれをタイトルにしたのかは判然としない。


『調書』を読んでみた  ル・クレジオ 著  豊崎光一 訳

  フランスとモーリシャスの二国籍を持つ作家ル・クレジオの1963年に発表されたデビュー作です。主人公アダム・ボロを通じて語られる空間に時間軸を感じられることは少なく、虚空のようで実存している錯覚をいだく不思議な世界です。

クラウド・アトラスを読んでみた デイヴィッド・ミッチェル 著 中川千帆 訳

  6編からなる中編を時代に分けて連ねた本。上巻は過去~未来へと流れ、下巻は未来~過去へと流れる配置なので、各中編が上下に分かれる。そのため、上巻の最初の物語りの続きが下巻の最終からとなる。


カートリッジの聴き比べ 17点:レビュー

  1.  オルトフォン SPU GE
    発電方式:MC   針圧:3.5g  出力電圧:0.05mV


     骨格が太くて量感、力感ともに大きくオーケストラの迫力が迫ってくる。それでいて大雑把なところはなく、腰が低く音楽の持つ力強さと繊細さもよく表現される。カートリッジ初期に既に完成された音に驚く。