Topping D90のバランス接続:レビュー BELDEN88760 XLRケーブル

  アキュフェーズE-470とヤマハA2000のアンプでTopping D90を聴いているけれど、RCAケーブルを差し替えるのが面倒くさい。都合の良いことにTopping D90にはバランス接続がある。
 旧い機材が多いために、バランス接続で出力することがなかった。まぁ、バランス接続の有意な点はノイズの除去にあるけれど、ケーブルの長さが2m強しかないので問題にならない。
 でも今回は、出力先を2系統に分けるためにバランス接続も使用してみた。E-470の入力数を確保するために、XLR + RCA というBELDEN88760の変則ケーブルを使用しており、RCAをXLRへ交換する改造を行った。


 ケーブルの入力側なのでメスのコネクターになるのだけど、電源ケーブルなどは感電防止のためオスになっていて、なぜか反対についている。どうもこれは、コンデンサーマイクへ電源を供給する必要があり、音源の出力とは逆になったようだ。

 

ケーブルの改造は、RCAコネクターのカシメを戻すのにちょっとだけ苦労した。また、ノイトリックのXLRコネクターにカラーリングを付けることにしたのだけど、小さなノッチにリングが嵌っているのだけど、これが意外に外し難い。
 小さなマイナスドライバーを突っ込みながら、円周方向に回すと外れてくれる。
カラーリングだと見た目にもいいし、L・Rの区別がわかりやすくていい。




 Topping D90のバランス規格は2番HOTでE-470は3番HOTと正相信号のピン位置が違っている。どうもこれは、ヨーロッパ規格とアメリカ規格の違いからきているようで、世界基準としては2番HOTになっているようです。

 なのでケーブルを作成する時にIN・OUTで入れ替えようかと思ったのですが、他で使用する時に困るので、2番は2番に繋ぎました。なんとなく困りそうな話なのですが、出力側も入力側もオペアンプで合成しているので問題ありません。
 これが、スピーカー接続だったり、信号を合成していない疑似的な接続(RCAと同じ接続でコネクタがXLR)だと問題があるようです。

 アキュフェーズE-470では、バランス接続のHOT番号違いに対応するために、内部で反転させて位相あわせができます。なので、これを使ってHOT番号を合わせているのですが、切り替えて音を聴いても、さっぱり違いは判りません。

 Topping D90の仕様を見ると、RCA出力2Vrms XLR出力4Vrmsと倍の電圧になっています。Vの後ろにあるrmsはRoot Mean Squareの略で二乗平均平方根と言って、統計のバラツキを求める時に使われています。なので平均値と思えばいいわけです。

 実際に繋いで聴いてみると同じボリューム位置でも、バランス接続の方が大きい音になります。CDでも音圧の高い録音の方がいい音に聴こえます。これは同じ音量で聴こうと思うと低い方はボリュームを上げることになり、ノイズも増幅されることになります。


 これでTopping D90のカタログにもS/N比がバランス接続は4㏈高くなっています。若干華やかに聴こえる気がしますが、拙宅ではボリュームを下げることになり不満です。
 電流制御ボリュームのE-470で聴いているので絞っても良いのですが、古いアンプではボリューム性能の問題が出てしまいます。

 バランス接続でもアンバランス接続でも、旭化成AK4499のDACチップの良さが発揮されて、DSD音源を聴くと深淵なる静けさの中に佇む鏡面な水面が震え出すのが観えてきます。


みがわりを読んでみた   青山七恵 著

  新聞の書評で気になった本を借りてみた。存在と無につながるような哲学的なエッセンスが含まれているような...本を手に取って著者の名を見た時に、ふと気が付いた。そう青山七恵と言えば、『ハッチとマーロー』の作家ではないか、なかなかに現代的な文を書く作家で面白いのだけど、存在と無には?

 園州律という新人作家が頼まれて、亡くなった依頼人の姉の伝記を創作することになる。本の中の作家の日常が現代的なリアルさと感情表現で、ハッチとマーローのようなコミカルさを伴って展開してゆく。なので、現代の言葉使いと相まってとても読みやすい。


 作家の園州律さんと依頼人の姉、百合さんがそっくりであり、依頼人はその身代わりとして作家をとらえているのだけど、園州律さんも百合さんの過去を取材するごとに百合さんとの錯覚に見舞われる。

 でも、青山七恵さんのみがわりのような気もする。我思うに、我在りとデカルトはゆったけれど、それもまた錯覚なのかも知れない。
 現代的な言葉使いと現代的な日常のなかで人としての錯覚を彷徨い、日常の断面が写しされハットするような文になると文豪になるような気がする。

 その意味では、終わり方が『悲しみのイレーヌ』の構図ではなく、どちらでもないまたどちらでもある状態に深淵があると良いのかも知れません。

マイルスのNefertitiをTopping D90 で聴く:レビュー

  これはCDです。レコードを買いたかったのですが、なかなか質の良そうな盤がなかった。CDプレーヤーLHH300はオペアンプをMUSES03OP42に替えてあって、艶もありいい音なんですが、美音系なのでゴリゴリした押し出し感はちょびっと不足かなと思います。

 そこで、LHH300Topping D90を同軸ケーブルで接続して聴いてみたらイケますね。Topping D90のオペアンプLME49720の影響なのかも知れませんが、少し固めでメリハリの出るのが、このCDに合うように思います。

 また、CPUが旭化成のAK4499なので、音の印影が増幅されるのかも知れません。旭化成の半導体工場が火災で品薄のようで、その前に買えて良かったのですが、半導体工場で火災と言うのも不思議です。

 Nefertiti(ネフェルティティ)は、黄金クインテットと呼ばれた時代のアルバムでマイルスが作曲した曲は1曲もなく、全てメンバーの作曲です。

 黄金クインテットのライブ盤であるThe Plugged Nickelを聴くと、バリバリのビバップが聴け、メンバーの能力の高さに圧倒されます。その印象のまま、このNefertitiを聴くと肩透かしを食らいます。4ビートからの変節点をまざまざと突き付けらるし、メンバーが新しい時代へ向けてリードするのが判ります。

 音的にはフュージョンへの一歩を彷徨している感がありますが、フルアコースティックでの演奏という点に、このCDの持ち味があるように思います。

それなら、MUSES03 & OP42の組合せの方が合いそうに思えるのですが、そうではないところが人それぞれであり、オーディオと音楽の面白いところなのでしょう。

フォノイコライザとトーンアームの組合せを変えてみる

  Victor QL-A75はS字パイプは手に入らなかったので、仕方なく3本のストレートパイプにSHURE V-15 Type III、Goldring 1012GX、Pickering4500QのMMカートリッジを付けてあります。


 これにYAMAHA A2000のフォノイコライザーを使っているのですが、1012GXを聴くとなんだか落ち着きすぎてしまって、活力感に乏しいような気がします。

 A2000の電解コンデンサを修理した時にブラックゲートも変えたせいかもしれないし、他のフォノイコとカートリッジの音との比較で思うだけかもしれませんが、気分転換に組合せを替えてみることにしました。


 元気が良さそうなフォノイコライザーと言えば、リニアテクノロジーのLT1115があります。それには、Victor QL-Y7の電子アームにオーディオテクニカのAT-33Saが付いているので、それと交換しようと思います。

 このフォノイコライザーはラックの中にあるのですが、狭くてQL-A75からは遠いので、ケーブルが届くか心配です。

 AT-33SaにはトランスUTC A-11が中間に入っていて、MOGAMI2534で繋いでいるので、こちらをA2000へ繫ぐのは問題なさそうです。


 狭いラックですし、背面にべニア板があって配線をするのは苦労します。そのためにホルソーでべニア板に穴は開けてあるのですが、手前に引きずり出すためにケーブルに余裕がいるのです。

 QL-A75のケーブルが苦労の甲斐あってギリギリ届きました。これを楽にしたくてトランスを探しているのですが、欲しいものは滅多に出てきませんし、ヤフオクで入札しても負けてばかりです。

 さて、試聴です。1012GXはMMとは思えないMCのような精緻な粒立ちで、さらにLT1115のエネルギッシュ明瞭さが合わさり、本来の良さが出てきました。ジャズのゴリゴリした押し出し感は不足ですが、フュージョンやポップスなどはとても綺麗なおとです。

 もう一つの組合せはAT-33SaA-11A2000ですが、これは以前にも組み合わせていて抜群の相性です。どれも高音域が優れたものですが、強調されすぎてきつくなることはなく、どこまでも透明感を持った響きで低音もしっかりでます。

 特に女性ヴォーカルの艶やかさと弦の響きの余韻は鮮やかで、MINIMA FM2での再生には癒されるばかりです。これでスコッチがあれば申し分ありません。


Amulech AL-38432DS アムレック:レビュー

  長らくアムレックのAL-38432DSをオーディオ用DACとして使ってきたのですが、DSD256を聴いてみたくてTopping D90に席を譲ってしまった。

 AL-38432DSは2万円強とは思えないとても優秀なDACで国産である。
DACチップはES9018K2Mだから発売当時は先端のチップであり、
アナログはディスクリートで端正で鮮明な音がし、
ヘッドホンアンプとしてはTPA6130A2を使っている。

タルトレット・オ・フレーズ シェ・シバタ ケーキ 頬張る

シェ・シバタのケーキを珍しく二人で買いに行く。
なぜかしら吸い込まれたように道を一本曲がり損ねて通り過ぎる。
くるくる回ると助手席の相方の頬も膨らんでいる。
でも、もうちょっとでお店に着くだろう
そうすれば、表情もやわらかくなるだろう。

相も変わらず、美味しそうなケーキが並んでいる。
「今日は、あのたっかいケーキないわね?」
「うん、マカデミアンナッツがいっぱいのやつね」

そう、数種類の定番を除いて、いつも新製品がでている。
そこが、このお店シェ・シバタのすごいところ。
相方は、パッションフルーツの酸味をつけた
レンガ色のきのこ型ケーキを指さす。

そこから右へ視線を7つそらす
なんと円形に並んだ多くのイチゴの上に
バニラ色した生クリームがふんわりとのっかっている。

タルトレット・オ・フレーズ

口を噛みそうだったので、これも指をさす。

おいしいコーヒーを煎れて いっただきまーす♪
真っ赤に染まったイチゴがほんのりとすっぱい
真っ白なクリームをスプーンとともに頬張る
あは、美味しい、美味しい、良い日だ。

イチゴが数個無くなると、なかから僅かに
キャラメル色のクリームが こんにちわ

これが あま~い♪

コーヒーの苦味が、ほどよく溶け合う
そこの焼き菓子をスプーンでわる
サクサク おいしい これにクリームが絡んで
ワルツを踊り出す。

Good Time  Have A Nice day!


レコードノイズとカートリッジの相性について

  レコードを聴いていると音の通る機材がいくつかあり、複数の機材があると組合せだけでもかなり多くなるのだけど、それで持っているレコードをまんべんなく聴くなどと言うことはできない。なので古くから持っているレコードを聴くとたまにハッとすることがあり、こんなに響きの良い音だったかしらんと想う驚きがあるからオーディオの機材が増えるという悪循環に陥ります。まぁ趣味とはこんなものだからいいのかも知れないのだけど、レコードで困るのはノイズだと思う。


 新品で買ったレコードですら、なぜか静電気を帯びやすいものとそうでないものがあり、それが製造元の問題なのか製造ロットによるものなのか、聴いているターンテーブルシートやカートリッジの問題なのか皆目わからない。それどころかレコードを裏返す時にとりそこなって爪がレコード面を擦ってキズの入る場合もあり悲しい思いをするのだけど、なぜかカートリッジによってノイズの出方が違うのである。傷はいたしかないとしても綺麗な盤面なのにプチノイズのでるものは非常に困る。そのおかげでレコードの洗浄については試行錯誤が続いている。特にプチノイズについてはカートリッジでの違いが大きい、おそらく針の形状や針圧に起因するのではないかと思う。特に針の形状では、丸針、楕円針、シバタ針などの差は大きいようですが、特にどれが出やすいということではなく、汚れのついている部分によるのではないかと思える。丸針で出やすくシバタ針で出にくい場合は、レコードの溝の中央部分に眼に見えないゴミが付着しているように思える。逆にシバタ針で出て、丸針で出にくい場合もあるのだけど、左右のどちらかだけで出るわけでもないので不思議である。



 シバタ針は4チャンネル再生を目的として開発されたもので、初めて買ってもらったステレオが4チャンネルだったけど、4チャンネルのレコードが売っていなくてサラウンドを味わったのは付属で付いてきたテスト盤だけだった。だいたい一本の溝で4つの再生をするのだから、左右だけでなく上下にも2段に分かれて溝があるようで、SACDとCDの両方が再生できるディスクは2層になっているのと同じ考えのようだ。もっとも古いのはレコードだから、まねたのは光ディスクのほうだと言える。でも、よくそんなことを考えて実際に作ってしまう技術者の見識と実行力に頭が下がる思いです。上下2段にある溝に針をあてるので接触面積が増えるように作るので、高音域まで綺麗に再生できるようです。なので、シバタ針でプチノイズが出やすい場合は、溝の上の方にゴミが付着していると思えるのです。


 レコードの手入れで重要なのは静電気対策のように思えます。静電気を帯びたまましまっておくとゴミが付着しやすいように思える。外国製のレコードの袋がポリエチレン系のものは静電気を帯びやすいようで、紙の袋の方がいいのではないかと思えます。でも中古で買うことの多い昨今では、悪戦苦闘することになるのです。でも、シバタ針と相性の良いクラシックレコードに当たり、実に繊細で伸びやかな弦の音にハッとするわけです。

スティービー・レイボーン テキサス・フロッド DSD64 で聴く

  ブルースギターのトーンがそこはかとない重さを感じるスティービー・レイボーン&ダブルト・ラブルのデビュー作をDSD64でダウンロードした。
 ずっとレコードを買おうと思っていたのですが、高くて競り負けてしまいDSD64の文字に負けて買いました。


 レイボーンと言えばあのSRVと貼られたストラトキャスターが、トレードマークになっていて、標準より弦を太くしているようです。それが腰の落ち着いた音に寄与しているのかもしれないですね。
 デビューアルバムから馴染みのあるサウンドが繰り広げられた良いアルバムで、トミー・シャノンのベースとクリス・レイトンのドラムが、グルーヴしながらリードギターを浮き輝かせている。


 2013年にリマスターしたようでDSD64で聴くとブルースの波が徐々に高くなってゆく様が見える。
 こんなに綺麗な音だとR&Bの泥臭さが消えてしまうかと思いきや崇高さが相まって新境地のようだ。

スティービー・レイボーン『Soul to Soul』:レビュー

ルドルフ・ゼルキンのピアノを聴く

  ピアニストのゼルキンは二人いて親子であるのですが、ここで聴いているゼルキンは父親のルドルフ・ゼルキンです。有名なピアニストはたくさんいますけど、ゼルキンの鍵盤をしっかり叩くピアノの音が好きです。
 奏でる音楽はいたってオーソドックスですが、曲が持つ印象をしっかり画いているように聴こえます。
 一つ一つの音を的確に作曲者の意図のもとに弾くことを教えにしていたと書かれていますので、その通りなんだろうなと思うのですが、ライブ演奏ではかなり自由になるようです。

 

シューベルト ピアノ五重奏 ます

 シューベルトの曲はほがらかで気持ちよいものが多いのですが、その中でもピアノ五重奏は楽しく面白く聴けますし、コントラバスの低音がとっても心地良いです。
 ついつい首を振りながらリズムとメロディに弾きこまれ、ピアノの高音が鮮やかに乗ってきます。



 春の野原を闊歩するかのような弦楽がするすると流れてゆく中に毅然としたピアノの音が全体を包み込み、主旋律を整えて構成されるのでより弦が楽しく振舞っても曲がはみ出ることなく特徴が洗練さるように響きます。
 そしてピアノ音もしっかりしている中で軽やかに踊り出すのですが、一音一音の余韻が甘くなく鮮明に聴こえて愉しいです。
 録音の音質は普通ですが、マスタリングは優れているレコードだと思います。


シューベルト ピアノソナタ21番 D960 遺作

 シューベルトが亡くなる年に描かれたピアノソナタ3部作の最終の曲です。シューベルトの曲はメロディアスで聴いていて、ほんわかしてくるところが好きです。


 静かにはじまり、雄大さが徐々に広がりながらも明るさと朗らかさが滲み出てきて、なんと落ち着きのあるシューベルトでしょうか。
 ゼルキンの弾くピアノは、その雄大さと落ち着きを押し込むような低さのなかに現れながらも、ほがらかさがほんのりと色づけされて心やすまるのです。



ブラームス ピアノ協奏曲第1番

 ジョージ・セルのクリーブランドオーケストラとの共演ですが、盤の音質が今一なのがちょっと残念ですが、ブラームスの綺麗な旋律が心地良いです。


 ゼルキンのピアノに合わせてオーケストラの音が回ってゆく中、ピアノのがっしりとした音が強く回り始めるのは、セルがゼルキンを気持ちよく弾かせているからだと思います。曲としては記憶に残るようなフレーズがなくて、ブラームスの室内楽曲としては何か物足りない感じを受けます。



ブラームス ピアノ協奏曲第2番

 こちらもジョージ・セルのクリーブランドとゼルキンの組合せです。これを聴くとゼルキンの力強さが曲とマッチしてすごく良いです。
 ピアノを綺麗に弾く人は多いのですが、この曲では印象が残りません。とても力強さがいる曲でメロディラインも特徴的でピアノとオーケストラがぶつかるような熱さがこの演奏にはあります。


 第1楽章でピアノの音にハッとして、第2楽章で弾きこまれ、第3楽章の始りはグッと力が一緒に入ってしまうぐらい、演奏と一体になる感じがよく、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番と同様に旋律が特徴的で面白いです。
 ピアノの強い音、弱い音、伸びる音と旋律を聴いていると大変そうな曲に思え、弱い音なのに力強く余韻を響かせているところがゼルキンのいい所だと思います。

ブルーノ・ワルター指揮のモーツアルト交響曲40番

ミルシティン:バッハ無伴奏ヴァイオリン

車載CDを聴こうと思い安室奈美恵のFinallyをセットして気づいたこと

  車ではラジオしか聞いていなかったのですが、帰宅時の放送が余りにもつまらないのでCDを聴くことにした。
 日本語の歌がいいと思うのだけど、CDでは古いものしかないので、ラジオの特番で聴いた安室奈美恵の後年の曲が良かったのでFinallyを買ってしまった。


 中古品なのでとりあえず検証を兼ねて、3枚のCD全曲を部屋のオーディオで聴いた。CDはレンタル落ちでなければ傷がほとんどないし、安価なものでも十分だと思う。さて、オーディオで聴くとなぜに歌謡曲っぽい音の造りにするのか疑問に思う。
 いくらビートダンスっぽい造りとはいえ、バスドラムがコンピューター造成っぽくてデフォルメされ、狂いの無い単調な音がでてハイトーンなキーボードと歌声が上書きされている。
 確かにハイトーンな音がヒットにつながりやすいとは思うけど音の厚みがなくて寂しい。コンピューターで造成されたと思われるかのような正確無比なドラムを基に各楽器のパートを単独で録音して造成してあるように聴こえるし、ベースの音もどこかしらコンピュータっぽくてどこにもグルーヴ感のようなうねりがない。
 これだけいい唄声で発音もきれいで上手いのにアレンジというか音の造り方は残念でならない。


 気を取り直して後年のCDを車に載せてみた。結構最近の車なのにCDもSDカードもMP3、WAV、AACのフォーマットだけでFLACやALACは対象外、これでは日本車の魅力が欠けるのがよく分る。こういったセンスがデザインを含めて新規さを無くしているように思える。
 なんだかEVになった時に取り残されるのではないかと危惧してしまい、家電業界と同じ道をたどらないことを祈りたい。
 曲を聴いて?が第1印象で、すぐにイコライザーがないか、いろいろとタップしてみたらありました。
 ご丁寧に5つの設定がデフォルトであるのはいいのだけど、低域の凄いのが2つあってEargasm Explosionのないのは如何なものかと思う。とりあえずPerfectに近いものを選択して聞いてみる。
 安室奈美恵のヒット曲はハイトーンなものが多いせいか、ちょっと高音がきつく感じる。あとCDそのものも中音が浅いのでそれが強調され過ぎてしまう。
 まずは、400Hzと1kHzを1クリックあげるとかなり良くなったけど、高音の課題は残ったので4kHzを1クリック下げてみたら非常に良くなった。結果としてEargasm Explosionに近い設定になったようだ。
 最近はデジタルなのでイコライザー機能がついていて容易に補正できるのは素晴らしい。家のオーディオにも欲しいなぁと思いながらMacIntoshのC40の5バンドイコライザーが懐かしい。

 毎日の帰宅時に気持ちよく音楽を聴けるようになって嬉しい。やっぱりラジオと違って格段に音が良い。それに部屋のオーディオで聴いた音の造り方も気にならない。
 聴く世代がiphoneとか車で聴いたりすることが多いのだろう。そこに合わせた音の造りなのはわかったけど、うねりのある音で歌わせてあげて欲しいと思う。
 そうしたらダイアナ・パントンのような歌姫が日本でも生まれるような気がする。