1962年生まれのスコットランドの作家が書いた12編からなる短編集を読んでみた。表紙の女性は物憂いな表情に見え、それはこの短編集にふさわしい。
ビクターのロングアームUA-7082を使ってみる
OrtofonのSPUというカートリッジは重いので、取り換えるのにちょっと手間がかかる。そこで、レコードプレーヤーにもう一つトーンアームを付けることにした。そのためにはロングアームでなければいけない。
十二月の十日 ジョージ・ソンダーズ著 岸本佐和子訳
10編からなる短編集。2019年の作品なので『リンカーンとさまよえる霊魂たち』の翌年に出版されている。すべての作品が翌年に書かれたとは言えないけど、同じ雰囲気を持っていて不安定でざわついた感じになる。
ヘッドフォンHIFIMAN HE400se を買ってみた:レビュー
平面型ドライバーってどんな音がするのだろうと気になっていた。でもHIFIMANの機種は高いのが多いので手が出なかったのですが、なんと16,500円の安価タイプが出て、タイムセールで20%引きになったので早速買ってみた。
『トーキョー・キル』を読んでみた バリー・ランセット 著 白石朗 訳
なんともはや物騒な題名である。まぁでもその通りな本で、全編探偵スペクタルアクション劇なのだ。次々と起こる殺人事件に巻き込まれ、襲われながらも切り抜ける手に汗を握るわけで、映画にしたらシリーズものでヒット間違いないだろう。
イヴォンヌの香りを読んでみた パトリック・モディアノ 著 柴田都志子 訳
1975年に書かれたフランス人作家の小説、主人公は18歳の若い男性でシュマラ伯爵という偽名のままで終わるので、どういう境遇なのかは不明のままです。そのあたりが、リアル感のある空間に虚実が混じり、脚のふわついた彷徨う雰囲気がテーマなのかなと思います。
ヘッドフォンアンプ ORB JADE casa を買ってみた
オペアンプを使用したヘッドアンプを捜していたところ、このJADE casaを見つけました。中古で値段も手ごろでオペアンプの差し替えもできそうだったので買ってみました。
ORBという会社は聞きなれないので、ちょっと調べたところセキュリティシステムや機械制御なども手掛けていて、音響関係ではケーブルやマイク、プリメインアンプ、ポータブルアンプなどを製造販売していました。
自由の国でを読んでみた V.S.ナイポール 著 安引宏 訳
アフリカの植民地だったのだろうか、王国から大統領へとクーデターが起きているさなかに、白人が居住区から居住区へ車で移動する話です。自由の国とは難しいものだけど、日本は『自由度が低い』とのつぶやきを想い起こす。
HIFIMAN EF400 を買ってみた:レビュー
HIFIMANと言えば、平面駆動型ドライバーを搭載したヘッドホンメーカーとして有名ですが、EF400はDAC搭載のヘッドホンアンプです。2022年6月に発売されました。出たばかりなのですが、中古がぽっと出たため、ついつい買ってしまいました。
ゴッホの犬と耳とひまわりを読んでみた 長野まゆみ 著
なかなか面白い題名だけど、これほどに題名と中身がすれ違うのは面白く、ゴッホの絵に犬って出てこない。ゴッホの手記の残るメモ帳が送られてきて鑑定を求められることがテーマの始まりなのだけど、それが主ではないところが主題のようです。
エリック・ドルフィーのライブ盤を聴く
1928年米国生まれのジャズミュージシャン、エリック・ドルフィーのライブ盤でVo.1&Vo.2とありますが、どちらも1961年7月16日の録音です。普通2枚組になるのですが、なぜか各々独立したアルバムになっています。
古いスピーカーに新しい機材を組み合わせてみる
オーディオの面白いところは、古いものでも新しいものでも組合わせてみると意外性があることだと思う。ステレオ録音は1954年から始まり、ちょうどその頃にトランジスタアンプも出始めた。レコードはCDになり、デジタルソースへと変わったけどレコードの需要は未だにあるし、真空管アンプも健在である。スピーカーも100kHzまでも再生するような機材まで出来たけど、DACフィルターは22kHzでカットされるような機能もあるわけで、進歩がそのまま音楽再生の向上なのかというとそうでもないように思える。
家の本を読んでみた アンドレア・バイヤー二 著 栗原俊英 訳
かなり驚く本だと思う。なにせ名前が出てこない、だから主人公の名前すらわからない。そして亀の名も書かれない。父とか祖母とか妻で呼称していて、それである意味十分であり、なぜかたまに出てくる亀が妙にひかる。
AI 2041を読んでみた カイフー・リー チェン・チウファン 著 中原尚哉 訳
AIの進歩により、日常生活がどのように変わっているかを10のテーマに分けてSF風短編小説に描いている。単にAIの技術的変化と効能について述べられるより、身近な生活空間に活きる人の息遣いがリアルなイメージを湧きたててくれる。
著者は中国のインターネット黎明期にGoogleで活躍した二人で、一人はSF作家に変身しており、文章のテンションと展開の妙はSF小説として読んだだけでも面白い。
自動運転は残念ながら2041年になってもレベル5に到達していないようで少々以外であった。そうであっても区域的にはレベル5が進むと予想され、道路にセンサーが設置され、交通管制システムが図られるであろう。運送に関わる人たちが多いことを考えると緩やかな移行は労働のミスマッチを緩和してくれることだろう。
Luxman L-550AXⅡ (AX2) を買ってみた:レビュー
新しいアンプを買うにあたり、Sonus Faber MinimaFm2を艶っぽく鳴らすことを前提にあれこれと迷った結果、L-550AXⅱにしようと思った。まず機材をおけるスペースからプリメインで高さが190mm以下でないといけないし、古い機材だと修理も考えなければいけない。でも、真空管の方がMinimaFM2には合っているような気もして随分と迷った結果、LuxmanのA級アンプになった。
アナログメーターはあるし、ボリュームはエンコーダーによるステップ切り替えでガリは出ないし、フォノイコライザーはあるし、重量も持てる範囲だし、日本製で保守もきちんとしていて安心感がある。
一刀斎夢録を読んでみた 浅田次郎 著
JALの月刊誌にエッセイを書かれていて、とても洒脱で愉快な文章に狭い座席の中で笑いをこらえながら読んでいた。その時に日本ペンクラブの理事もしているのだと知った。でも本を読んだことはなく家に置かれた一刀斎を何気なく読んでみたら面白い。さすがに 新選組三番隊隊長 斎藤一の歴史小説なだけに愉快ということはないのだけど、洒脱で臨場感あふれる映画を観るかのような文章はJAL月刊誌に書かれていた香りがより強く発せられている。
世界を支えるすごい数学を読んでみた イアン・スチュアート 著 水谷淳 訳
世の中にどれだけ数学が応用されているかを分かりやすく説いた本です。かと言って数学の式が出てこないわけではなく難しい式を見るとぼうっとなってしまうが、現代に応用されている数学も歴史があって進歩してきていることはよく分かる。
ミルクマンを読んでみた アンナ・バーンズ 著 栩木玲子 訳
なんともはや変わった題名で何故かキン肉マンを思い出してしまった。なんとなく〇〇マンと言えばヒーローっぽくなるのだけど、本の中に二人存在していた。一人は牛乳配達をする隠れた人気者、もう一人はテロ活動もする政治集団の一人、まあ隠れた人気者は確かにヒーローっぽいと言える。
2022年に買った音質の良いアルバム
2022年はウクライナでの戦争に始まり、物価上昇によるインフレが進み動乱の一年でしたが、大谷選手を応援し、サッカーを観て喜び、音楽を聴いて住ごせることに感謝します。
相も変わらずアナログのLPを買っていますが、音質的にはDSDで録音されてDSDで発売されているデジタル音源を聴くとさすがにDSDの方が安定してよいアルバムが多く、特に無音時の静けさが聴感に大きくかかわっているように思えます。
小さきものたちの神を読んでみた アルンダティ・ロイ 著 工藤惺文 訳
インドに住む幼き双子の姉妹の思い出を振り返るお話し。20世紀後半の時代なので同じ時代の若き頃を書いた『喪失の響き』を思い出したけど、随分と趣は違って青春時代の哀愁感は少なく、『斜陽』のような陰りと退廃のなかにカースト制度の絶対感が漂う。
略奪の帝国を読んでみた ウィリアム・ダルリンブル 著 小坂恵理 訳
イギリス東インド会社の興亡と副題にあるとおり、世界で初の会社の歴史書です。1600年にインド貿易を始めるにあたり、船舶への資本集めとして航海ごとに株式を集め利益を分配したことが株式会社の始まりですが、これだと保険に近い形式だったように思われます。1600年と言えば日本国内では関ヶ原の戦いなのですが、すでに資本主義の産声が生まれていたわけです。