真空管プリアンプの温度があったまるとノイズが出る

  Chriskit Mk6 Customという旧い真空管アンプのくたびれた電解コンデンサを交換して数か月経ったころから、真空管アンプが温まるとジーと言う盛大なノイズが出る時がある。プリアウトからの接続時のみで何故かアキュフェーズに接続している時はよく、TU8600Rに接続したときに起こる。ソリッドアンプでメーカー品なのと真空管でKit品の違いなのだろうか、それとも偶然なのだろうか。ノイズなのでアキュフェーズの場合は安全回路が働くはずなので、いかにも不思議で仕方がない。両チャンネルともに出るので、フラットアンプ部だと思われ、何かが振動して起こっているように思える。なにせ、コンデンサの脚を繋いでいるので半田が割れているのだろうか。


 蓋を開けてコンデンサをコツコツと叩いてみるが、半田が割れている様子はない。いも半田になっている場合は叩いただけではわからないので、少々手荒くつまんで引っ張ってみる。意外としっかりくっついている。しかたなく蓋をして機器を戻した。そうすると何故か収まるのだが、数日経つと僅かにノイズが出る。ありえそうなのは真空管のソケットなのだが、基板に半田付けしてあるタイプなので、ここが原因だと基板を外すしかない。それを行うのだったらコンデンサの脚も外したのにと思う。とりあえず、真空管の脚とソケットの穴をアルコールで拭いてみる。ソケットの方は歯間ブラシを使うと便利と書いてあったのでWebのアドバイスに従った。前よりはノイズの出方が優しくなったので、やはりソケットのようだ。真空管を掃除した時にテレフンケンの12AUは入れ替えなかったので、きっとここが熱で緩み真空管の振動でノイズがでるように思える。

 TU8600Rの前段に12AUを2本使っていることを思い出した。こちらは新品のJJが付いており、音の違いも分ることだしと思い交換してみることにした。さすがにTU8600Rは新しいので真空管を外すのにも固くて力が要る。プリアンプの方に差し込む時、新品と比べれば緩いのでほんの僅か傾けてきつくなるようにした。真空管の揺れを考えると好ましくはないが、温度が上がって緩むよりはマシだと思うし、これでダメなら基板を外してソケットを交換しようと思う。


 とりあえず、ノイズは出なくなった。さて、音色の方はというと、輪郭は明瞭で明るい傾向はそのままで音像がおおきくなった。フラットアンプの真空管が新しくなり、これはマッチ度だから音に元気がでたのかも知れない。しかも、TU8600Rにつけたテレフンケンがそのままクッキリした音を奏でているようだ。禍を転じて福と為すという珍しくよい修まりでありがたい。アキュフェーズE-470をプリとして繋いでみる。300Bの真空管は凛とした音色だけど、テレフンケンになることでより明瞭になって線が細くなるのではないかと危惧したが、杞憂に終わった。E-470テレフンケン300Bとどれもスッキリ明瞭なタイプだけども、ことさらに強調されるようなことはなく凛凛と輝いた高音域の余韻が伸びてゆくようになり、クラシックのソロなどは綺麗に響いて清々しい気持ちになれる。



 しばらくしたら、またもやノイズが出る。クリスキットの出力をTAPE OUTにしても盛大にZiZiZi―となり、パワーアンプへの出力とは関係なくなってしまう。真空管のソケットを替えるのは面倒で当分できれば避けたい。悩んでいる内にマランツタイプのフォノイコライザも真空管で松下とJJが付いていたように思い、JJを外してみると803Sで高精度タイプだった。一縷の望みをかけて交換し、数日間が立つがなんとか持ちこたえている。でも、たまにキーンという薄くて儚い小さな音が漏れる。どうもマイクロフォニックスといわれる真空管自身の微振動が出ているように思える。でも、盛大な音にならずに済んでいるので助かる。抜いた東芝のHiFi管はピンが焼けて変色しているけど、綿棒で拭いてマランツタイプのフォノイコライザに付けてみた。こちらはソケットも新しく金メッキなので問題がないようだ。音はより澄んだ音で高音が滑らかであり、日本の真空管も優れているように思う。

 一カ月ほどしたらまたノイズが出た。なぜか、すぐにおさっまたのだけど理由は判らない。仕方がないので出力回路付近を見直してみる。まずは、ローカットノイズに合わせて抵抗値を合わせるスライドスイッチを綿棒でふき取り掃除をすると意外に埃が付いている。次に最終段の真空管ソケットの裏側を綿棒で拭き、出力のカップリングコンデンサと抵抗の位置が密接なので位置をずらす。それから出力基板についているオイルコンデンサの脚が長くふらつきやすいので、接着性の防振ゴムでコンデンサを壁面に止める。最後に真空管を抜いてピンを綿棒で拭き、真っすぐに入れ込む。これで何とかならいかと願うばかりである。

 一ヶ月程過ぎたが、ピッタリとノイズが出なくなった。なんですが、再度よくよく調べてみるとフォノイコライザーのオイルコンデンサの脚の半田が芋になって外れそうなのでここも修正した。

 紆余曲折しましたが、結局のところ部材の半田不良で接点不良になり、ちょっとした振動でチャタリングが起こって盛大なノイズが出るということでした。

ターンテーブルの防振対策

真空管300B パワーアンプ TU-8600 組立

ターンテーブル ビクターQL-Y7 修理


YAMAHA A-2000 修理: プリメインアンプ コンデンサ交換

  真空管アンプのTU-8600rを作成した時にLS3/5aで聴いた音があまりにも端正で綺麗だったのに驚いた。今まで繋いでいたA-2000とは余りにも違い、リフレッシュな力強さがあったからで、そんなにA-2000ってぼやけていたのだろうかと訝しく思い考えてみると購入してから既に30年以上の月日が流れていることに気がついた。疑似A級動作のアンプなので発熱が高く電解コンデンサの劣化が激しいのだろうと思い、アマゾンでLCRメーターを買ってみることにした。要するにこれでコンデンサの容量を測ろうというわけだ。

 LCRメーターが届いたので、とりあえず計測できる状態までバラしてみる。気になるのはパワーアンプ基板の33,000uFの黒い電解コンデンサだけど、案の定すっからかんで30uFほどしかない。これでよく音が出ていたもので、意外と堅牢なのに驚かされる。
 あと、パワートランジスタは見る限り大丈夫そうだし、焼けている抵抗もないようで助かる。ついでにフォノイコライザー基板も診てみるとブラックゲートの1000uF700uFほどになっている。もう売っていないコンデンサなので迷ったが、劣化すれば音質も変わってしまうのだからと思いこれも交換することにした。
 部品のマークが見えづらく、回路図を探したのだけれどA2000aの方しか見当たらなかった。撮った写真と見比べてみるとところどころ違うようで不安ながらも部品リストを作成して発注した。 
A-2000a回路図





 部品が揃いA-2000を分解する。右側面にあるフォノイコライザー基板から部品の取替を始めるので黒い鉄の側板を外すと基板の裏面が見える。四隅にある樹脂の止めの頭を引いて抜くのだけど、古いから樹脂の裾が拡がったままになり外し難く、ラジオペンチでつまみながらゆっくりと引き抜いた。フラットケーブルを外すと簡単なのだけど、なぜかフォノイコライザー基板側が半田付けされていてコネクターがない。
 仕方なく前面パネルにケーブルを接続したままコンデンサを交換することにした。1000uF周りのコンデンサは接着剤で止めてあるので半田を吸い取っても外れない。シンナーを綿棒につけて塗布し、脚に半田鏝を当てて温めながらもぎ取った。先輩方の記事を見ると基板プリントの極性にミスプリがあるとのことなので注意すると、RCAコネクタ側にある上面からみて左側の1000uFが+-逆に印刷してある。
 先輩方の皆様に感謝です。高分子コンデンサの購入が容易だったものは変更したのだけど、1ヵ所外してみたら両極性だったので仕方なく元の物を再度取り付けた。まぁ、MCヘッドアンプ部なのであまり利用しないから良しとする。前回調査した時に不明だったコンデンサの印刷が22uF 25Vだった。両極性のようだけど、表示の容量よりサイズが大きいし、LCRメーターで測定すると脚を1、3番に入れているのに2、3番で容量が38pFと表示される。LCRメーターが壊れたかと思ったが、他のコンデンサは問題がないので、とりあえずこれもこのままとする。
 今回使用した半田は、Dayton Audioの無鉛タイプ銀入り4%で銀入りなのに安価なのが嬉しい。まずは、フォノイコライザーだけで試聴を行う。ペギー・リーの声が曇って上ずって始まったが、片面の終わりごろには甘ったるい艶のある唄声が聴けて嬉しかった。このままエージングすれば良さそうだ。







 次は、パワーアンプ基板に取り掛かる。33,000uFの半田量が多く、基板配線プリントにもしっかりブリッジしてあり、相当な電流が流れるように思える。接着剤も全週に張り巡らされていて取り外すのにワニ口のプライヤーで掴んだほどだ。おかげでプリント基板が割れやしないかと冷や冷やしながら、シンナーの塗布と半田鏝を当てて結構な時間をかけて何とかとれてホッとした。
 問題は背の低いコンデンサがなかったので、脚を折り曲げて狭い空間にいれなければならない。とりあえず脚を穴に入れて曲げてみると高さがギリギリなので、頭部に絶縁テープを念のために貼り、あわせて付け忘れた脚のチューブを切り開いて嵌め込んだ。取り外した電解コンデンサの容量を図ってみると100uFのものは変化なく、470uFの方は330uF、390uFと減少していた。それから、パワートランジスタの方は熱伝導シリコンを塗布し、伝導シートの無いものには追加して差し込んだ。
 これも先輩方のありがたい記事のおかげです。組立作業でトラブル発生、スピーカーターミナル基板に接続するファーストン端子が折れてしまい、思わず『ああっー』っと唸り声を上げてしまった。しかし運よく基板の裏側が露出しており、端子の裏側の半田付け部分に接合でき救われた。部品の再チェックを行い、電源を入れて状態を確認する。異常は見られないので、試聴のためLS3/5aのスピーカーケーブルをつなぎ直す。
 レコードに針を落とし、ボリュームを上げみればペギー・リーの晴れやかな声が響き、ベースが引き締まり、シンバルが切れよくリズムを打つ。おおー、以前の音とは丸で違う。そうそう、こんな音だったと感慨ひとしおである。悦に入ってスケルトンのまま数枚のレコードを聴いてしまった。高音の繊細な響きは300BTU-8600rに譲るけど音のふくよかさはA-2000の方があり、余裕を感じられる。やっぱり交換してみるものだ。











 さて、LS3/5aは元のTU-8600rに戻してどうしたものかと思案する。譲り受けるNS-10Mは当分来そうにないし、小型のスピーカーを買うにも迷ってばかりで思案する。そうだ、もう一度バイアンプに挑戦してみよう。
 高音側のケーブルをE-470から外しA-2000に繋ぐ、E-470 のプリアウトからA-2000のパワーインへRCAケーブルを嵌め込んだ。コルトレーンのテナーが心地よく鳴る。以前はトーンの違いが如実でチャランポランだったけど、A-2000の音が引き締まったので違和感はない。スピーカーがTANNOY Precision6.2LEだから、バイアンプにするようなパワーは不要なのだけど、高音がYAHAMAの音粒になり煌いて面白い。
 しばらく聴いていてハタと思ったのは、どちらもプリメインアンプであり、フォノイコライザーはA-2000である。なので、どちらもプリメインとして高音、低音を各々のボリュームで出してみた。A-2000のプリ部はより高域がきつくなるのでトーンが変わり、低域も出ているように聴こえてくる。
 同じぐらいボリュームを回すと高域の強さが耳につくが、ボリュームでほどよい位置に調整できる。これが案外と重宝する。チャンネルデバイダーを使ってバイアンプにしたくなるのが良く分かる。スピーカーがバイワイヤリング対応とはいえネットワークが入っているし、音量で会って周波数特性をいじっているわけではないので全く違うのだけど、高音と低音の音圧を各々調整すれば周波数の重なり具合が上下することになる。






 丁度MCカートリッジを3本のアームつけてあり、どれも40Ωの設定だったため、該当するトランスがなくMCヘッドアンプも使うことにした。しかも試しに繋いだのがOrtofon SPU Synegyである。SPUなのに出力が高いのでMCヘッドアンプでも全く問題ない。コンデンサを交換したせいか朗々となっている。もともとそういうカートリッジだけど、A-2000のヘッドアンプもそこそこ繊細なので中々よろしく思える。あとはこれでヴァイオリンの音を気持ちよく奏でるスピーカーがあればなと思ったりする。

あと両極性の電解コンデンサーが交換できず気になっていたので、他の部品を購入する機会に買った。22μF25V→50Vと47μF16V→25Vに交換。LCRメータが計測間違いを起こしていたコンデンサーも交換できたので、ひとまず安心できて悦ばしいです。

 それから、左右で音の大きさが違うので気になっており、パワーインだけで聴いてみても同様な傾向なのでパワー部の問題だと思われる。Webで調べてみるとDCバランスA級AB級のバイアス調整が必要みたいで基板に半固定のボリュームがあったのを思い出す。
 A2000aの回路図をみると確かに三ヵ所にボリュームの記号がある。パワー基板の右側上部にピンが5本立っていて、左からBNE、B、E、A、APEになっており、Webでは調整値にバラツキがあったのでとりあえず、A-B間:0mV、B-BNE間:15mV、A-APE間:200mVを目指して調整してみた。 


 まずは現状の測定をしてみたのだけど、テスターが抵抗値を示すだけで電圧を表示しない。これはフルオートのタイプで電圧と抵抗や導通などは勝手に切り替わるタイプなので取説をよんでみると、0.8V以上の電圧が閾値になっていた。
 どこを読んでも手動の設定はないので、仕方なく安価なテスターを買う羽目になった。DCで200mVあたりを計測できればよい安価なものを買ったけど、やっぱりオートではなくダイヤル切替タイプを買っておけばよかったのかなと思うものの苦手な部分なので良しとする。まずはA-B間を0mVに向けてボリュームを回すのだけど、ちょっと触るだけで数十mVも変わってしまい10mV前後になってしまった。A級とAB級の半固定ボリュームは基板の奥にありフィルムコンデンサーが邪魔で危ないから、割り箸を削ったマイナスドライバーを作り、かつ電源を入り切りして調整した。
 右側のパワー部はフォノイコライザー基板が邪魔なので、ビスを緩めて上へ引き出して調整した。こちらも微妙な加減が必要で結局、A-APE間は200mV強、B-BNE間は20mV強になってしまった。とりあえず試聴、なんとか左右のバランスがとれたのだけど、ソースによっては右側が僅かに大きくなるが、依然と比べるとかなり良くなった。女性ヴォーカルに深みが出て情感がより伝わるように聴こえてくるのも嬉しい。

追記:Sonus Faber Minima FM2を買ってA2000で聴いてます。とても麗しい音で、女性ヴォーカルとヴァイオリンの響きが心地良いです。あと、スピーカーを変えた時にも左右の音のバランスが崩れ、不思議に思いいろいろと触ってみると、なんとパワーとプリを切り離すスイッチの接触でも変化します。前面パネルのスイッチはロジックコントロールではなく、直接音が通るようですのでここも要注意です。




SonusFaber Minima FM2

変わったタイプを読んでみた トム・ハンクス著 小川高義訳

  作家のトム・ハンクスは、あの俳優のトム・ハンクスなのだ。映画で思い出すのはプライベート・ライアンやグリーンマイルなど数多く、プライベート・ライアンで最後にタバコを咥えるシーンが眼に焼き付いている。映画監督もして作家にもなって多才でマルチタレントとはこういう人のことを言うんだろう。

 あのゴツイ図体で実に洒脱で軽妙な文を書くので面白い、17の短編でどれも映画のシーンを想像できるところが映画人なのかなと思う。タイトルの変わったタイプとは違って、出てくる人物はどこにでもいる人たちに見え、みんな活き活きと生きている。読み進むうちに気づいたのはどの短編にもタイプライターが出演していてヒッチコックの映画のようだ。でも、どこにヒッチコック監督が顔をだしているのかわからないのもあったけど、この本でタイプライターは直ぐに見つけられる。なるほど、だから変わったタイプなのだ。実に洒落た人なんだと、だからあんな名演ができるのだろう。読み終わって楽しくなる本です。

ターンテーブルシートJP501を使ってみる

  1970年代後半ごろかと思うのですが、自作スピーカーで有名なオーディオ評論家の長岡氏が絶賛されていたターンテーブルシートがパイオニアのJP501という品番です。それから40年近くになろうかという時にわざわざ買ってしまった。プチルゴム系の素材なので経年変化は起きているし、当時の性能がでるとは思えないけど、好奇心とは不思議なものだ。

 物が届いたので開梱してみるとシート面に糸くずのような埃がついているので取ろうと思ったら取れない。シート面が密着し易いようにできている。面がザラザラしていて超微細な穴が無数にあるような感じがする。そして驚くほどに柔らかい、40年近くも経っていると硬化しそうなものなのにクタクタなのだ。ゴムというものは変質しつづけるものなのに驚きである。でも旧いものには違いないので、呉のラバープロテクタントをスプレーしてみた。少し艶がでて若返ったようでいい塩梅にみえる。シートの厚みを見ると均一のようで凹んではいないようだから、オーディオテクニカの勾配のついた金属製のターンテーブルシートのようにスタビライザーでレコードの反りを防ぐのとは違うようだ。





 ビクターのQL-Y7に取り付けてみる。柔らかくて密着性がよいのでアルミ製のターテーブルにピタッと収まる。レコードを載せてレーベル部分を押さえてみるとレコードとシート間にある空気が抜けてレコードがしなやかにシートを密着するのに驚いた。吸着式のスタビライザーが出てくるのはもう少し後の時代だったので、これは先進的な機能だと思われる。きっと高性能な機器ではこの違いが分かるのだろう。では、拙宅での音はどうかと言うとあまり変わりはない。すごく注意して変化を探すと高音域のキツさがなくなり、サ行で粗さがでるカートリッジなどではありがたい変化である。密着性の良さとしなやかさからダンプが効くようだ。もともとの希望小売価格は2,200円なので大変すぐれたシートだと思える。

とってもクリーミーな栗きんとんのケーキを頬張る

  栗きんとんは大好物なのですが、ケーキの栗きんとんを食べるのは初めて、その名はモンキントン、ここシェ・シバタのケーキはいつも新しい種類のケーキが出てきて実に楽しい。見た目が美麗で食べても美味しいのだからたまったものではない。だからと言ってほいほいと食べられるほど裕福ではないので家のもんの誰かの誕生日が待ち遠しい。



 これ、外側がみーんな栗きんとんで、裏ごしされた栗がモンブラン風に山になっている。こういう造形にすることの発想が凄いなと思う。これだけではなくてどのケーキも見た目がアートなんです。ちょっとコーヒー豆の量を増やして煎れる、濃い目のコーヒーの香りと栗きんとんのちょっとだけ渋めの味に生クリームが溶け合って、極楽な気分になってしまう。


名ドラマーであるジミー・コブの This I Dig of You を聴く

  ジミー・コブと言えばマイルス・デイビスのカインド・オブ・ブルーを想いだしますよ、あれから60年の歳月を経て90歳でのリーダーアルバムです。これを買ったのはジミー・コブが亡くなられてしまい最後のアルバムになったからです。メンバーは、Peter Bernstein (g), Harold Mabern (p), John Webber (b), Jimmy Cobb (ds)の4人、とても90歳には思えないドラミングでJAZZが聴ける優れたアルバムだと思います。

 96kHz24bitのハイレゾをダウンロードして聴いてますが、最近の録音とマスタリングは本当に素晴らしい、ハイハットの叩き方やベースのネッキングの音がリアルに聴こえ、音圧が高くてS/N比が良いからダイナミックレンジが拡がって聴こえる。いい音だし、安心して聴くことができる。ピーターのギブソンのギターがふくよかで饒舌でいかにもフルアコっていう鳴り方がして気持ちいい、それにドラムの刻みが溶け合って良くマッチングしている。ハロルドのピアノが軽やかに切れ込み、ジョンは押し出しが強くうねるベースを弾いてくれる。実に心地良い時間を与えてくれる。



TOPPING D90 レビュー DSD256 を味わう

  Amulech AL-38432DSを使用していたが、DSD256はネイティブ対応のため、MacやラズパイではDop対応となりDSD128まででVolumioがネイティブ対応になったため期待したのだが、DACが対応できずDop再生だった。ちなみにAL-38432DSは2万円強とは思えないとても優秀なDACで国産である。DACチップはES9018K2Mだから発売当時は先端のチップであり、アナログはディスクリートで端正で鮮明な音がし、ヘッドホンアンプとしてはTPA6130A2を使っている。ちなみに後継機種のDRも3万円を下回る価格でなんとES9038Q2Mを2個使い、LRの各チャンネルに1個というハイコストパフォーマンスです。現状でもDSの音に不満があるわけではなく、やっぱりDSD256の音が聴いてみたい。

 そこで、DSD256対応のDACを色々調べてみて旭化成のDACチップAK4499に行きついた。AK4497も優れていてTOPPING D70なんかは2個使いで価格も手ごろなので一刻そっちにしようかと思うが、電流制御が気になるのでAK4499の基板キットで組めば価格も変わらないかと思い悩む。TOPPING D90を買えば済むことなのだがコストパフォーマンスが高いとはいえ価格がそれなりにするので手が止まっていた。そうしたら、コイズミ無線でTOPPINGフェアなるものが開催されて更なる値引き価格になっていたので買ってしまった。たったの2日間のフェアだったので運がよかったのだが、かなり売れているようで在庫切れ、しばらく待つことになる。
 その間にHDtracsから全品20%引きのメールが来た。2xHDレーベルからピアノ曲のバルトークのアルバムが出ていて前から欲しかったのだけど、DSD256の再生環境がないのでDSD128にしようかと迷っていたのだが、渡りに船とはこのことだから、買わなければいけない。
こういう巡り合わせでそっぽを向くと運が逃げてしまうので買ったのはいいけど、ジミー・コブが鬼籍にはいられてしまいラストアルバムを、グレゴリー・ポーターの新譜も出たなどとついつい買いだめしてしまった。
 バルトークは2台のピアノと打楽器のためのソナタとピアノコンチェルト3番で弾いているのはGyörgy Sándor(シャーンドル・ジェルジ)、この方のピアノの先生がバルトークなんです。ダウンロードするのに1時間ほどかかってます。アルバム数が多かったせいもありますが、DSD256のバルトークの容量が多くて数ギガになります。D90はDSD512もネイティブなら再生可能ですが、そもそもそんな楽曲が売ってませんし、アルバム1枚で容量が数十ギガになるのではないでしょうか、5Gの世代でも苦しそうです。 AK4499仕様書



 さて、待つこと3週間がすぎて発送のメールが届きました。黒い箱に入ってデザインはアップルのうように洒落ていて、日本よりセンスがいいように感じてしまう。仕切りの入ったパッドの中に本体と付属品が綺麗に収まってました。
 まずは、本体の裏にある電源設定です。出荷時は220Vになっていますので、115Vに変更、次にブルートゥースのアンテナ(使わないけど部品が行方不明になるのをさけるため取付)、USBの接続、そして電源プラグなんですが、コンセントに嵌らない。220V仕様だからアースプラグが付いてました。変換プラグがないので困ったために、薄い三俣のコンセントを家の中から強制調達して電源ON、パネルが表示したので、ラズパイの電源を入れてVolumioの設定を開くと、DACの選定にD90がされた。ちゃんとドライバーがあるようでVolumioは無料なのにたいしたものです。Dop設定のまま音出しすると、DSD256の表示で感激、次にネイティブに変更してみると、なんとDSD256の表示ですからネイティブ対応できています。目茶感激。(普通の方はここで感激しないですよね、技術屋の性のように思える)
 さて、一通り問題がないようですので、D90の再設定です。一度電源をOFFにして、全面パネルの左側のボタン(SELと書かれている)を押しながら電源ONすると設定画面が立ち上がる。まずは、ボリュームコントロールは不要ですので、右の上下ボタンで3番目のLO Modeを選択、左側のボタンを押すとPRE ⇒ DAC に変更、つぎに右側のボタンでBT(Bluetooth)画面を選択して左側ボタンでOFFに設定、つぎに左側ボタンでPCM FIR(PCM FILTER)を選択して左側ボタンでMode4に設定して完了する。Mode4はSHORT_DELAY_SLOW_ROLL_OFF_FILTERという名称で、40kHzまでなだらかに落ちて40kHz以上がカットされるようです。デフォルトではMode3になっていて24kHz以上がカットされるようです。ぱっと聴いた感じでは違いを認識できませんでした。Hi-Res音源を聴こうと24kHz以上のカットではと思ったのと、スピーカーが35kHzまでなのでとりあえずMode4を選択しました。CDのリッピングだとMode3の方が良いのかもしれません。このあたりは、マニュアルに周波数のグラフがついているので参考にしながら進めます。 取扱説明書
まぁ当分は、いろいろ変更しながら進めようと思います。



 音質についてですが、聴き始めは高音が固くて響きが少なく感じました。1時間ほどするとあったまるのと電流の通り方も安定するのでしょうか、固さが取れてきます。そこで、ヴィバルディのDSD256のソプラノを聴き直してみると、最初にDSDを聞いた時と同じ感動を再び味わいました。最初に聞いたDSDはMac ⇒ アムレックでDSD128にダウングレードされたDop形式でした。ラズパイにしてからはDSD128まではDop形式で送ってくれるのですが、音源がDSD256だとPCM384にコンバートされてしまい、「うーん」という感じでしたが、さすがにネイティブDSD256は持ち味が出ます。
 翌日はあったかな日で午後から落ち着いて聴き始めることができ、買ったバルトークをかけてみました。左右にある2台のピアノの旋律が綺麗でセンターの打楽器の押し出しが迫るようにきます。PCM384へコンバートされていた時にこんなリアルな迫り方をされなかったし、最初に聴いた時に左右のピアノの重なりが響かず単独に聴こえたのですが、フレーズがハモルように鳴ります。ちょっと高かったけどDSD256の音源を買ってよかったです。録音がよくてマスタリングのしっかりした音源を買わないとDSD256は高い買い物になりそうで、レーベルだけでなくマスタリング技術者の名前もクレジットして欲しくなります。
 次に河合楽器のピアノのDSD128を聴いてみると部屋があったまったせいもあるのでしょうが、低音域の出方が良くなっています。骨太で骨格のしっかりした低域の和音が響いて、オルトフォンのSPU GEを思わせるような鳴り方で、高音域に向かってはSPUのように台形ではなくピラミッドのような構成に聴こえます。さらにペダルを踏んだ時の弦の響き方が気持ちよく、ホールでピアノを弾いているような雰囲気も出て艶が載るようになりました。このあたりのニュアンスはAL-38432DSには無くD90の良さで、I/VコンバーターにOPA1612、アナログ出力段にLME49720を使っていて、良い素性のオペアンプを使っているおかげなのでしょうか。AK4499では出力電流が高くてI/V変換に対応できるオペアンプとしてOPA1612を推薦しているようで、D90では高価ですが指定通り4個も使っています。AK4499は1チップで4チャンネルあって、D90ではL・Rに各2チャンネルづつ割り当ててS/N比を高めているとのことで、チップのカタログスペックではS/N比134dB、Stereo 137dB、Mono接続で140dBなので137dBとなります。ちなみに2チャンネルのAK4497では128dB、Mono接続で132dBです。それに歪み(THD+N)は-124dBとありますので、非常に高スペックです。LME49720も超低歪、低ノイズのオーディオオペアンプとして有名ですし、価格もそこそこ高いです。音質は素直で特徴がないなどと言われますが、色付けが少ないということではモニター向きだと思います。骨格がしっかりしているとの意見もあるので、その辺りは性格がでているのかなとも思います。優れた部品を使って、良い音質でこの価格は破壊的だと思います。

                                Vivaldi Cantata DSD256

    

                                  Chopin DSD128

 次に、PCM174の音源であるレーベル2xHDのペトレンコ指揮、リバプールオーケストラのショスタコーヴィチ第7番をかけてみました。これは意外にもより静かな音になり、おとなしく綺麗なオーケストラに聴こえます。第1楽章で無音に近い状態から特徴のあるフレーズが繰り返され、ボレロのように音の大きくなる部分があるのですが、この時に全く無音になり、すごく小さな楽器が奏でるフレーズがきちんと聴こえるのに驚きました。以前は音が出始めたのはわかるのですが、団子になっててフレーズが読み取れなかったのです。ここはAK4499のチップの凄さだと思います。S/N比がよくて解像度が高くダイナミックレンジが下側にも広いおかげだと思います。40年前にCDを初めて聞いた時の静寂の中から音が出てビックリしたことを想い起させられました。

                                Bartok DSD256

 PCMの音はCDの延長線上の音に聴こえます。ブラインドで聴いたらDSDとの区別もできないかもしれませんが、PCMは優等生で周波数が上がるほどに秀才になるという感じに聴こえ優れているのは分かるのですが、レコードのようにエネルギッシュな塊を感じることはないのです。
 最近の録音でマスタリングも優れていれば96kHz24bitあれば十分なように聴こえます。DSD256とD90の組合せはレコードと同じようなエネルギッシュな塊を感じますし、音の静寂さや解像度を感じるとレコードを凌ぐように聴こえます。でもレコードの場合、音源とカートリッジとトランス、フォノイコライザの組合せで嵌るとやっぱりレコードはいいなと思うのですが稀な話です。そうして考えるとD90の出力段のオペアンプをソケットでDipタイプのオペアンプを交換できるようにしてくれると楽しみが倍増するように思います。
 拙宅にはターンテーブル2台、トーンアームが4台ありますが、D90の価格なら2台構成にしても安く、カートリッジよりもオペアンプの方がはるかに安価でオペアンプを交換しながら愉しむのも良いなと思ってしまいます。

                                PCM192 Boris

    
                                PCM96 Porter

 PCMのソースでは、サンプリング周波数よりもbit数の高い方が音質に対する影響が高いように思えます。ダイナミックレンジが拡がるようでバスドラムのように低音で瞬時にバッとでるような音はかなり変わり、32bitあると申し分ないです。HDtracksで購入したソースは24bitのはずですが、Volumioで再生すると32bitの表示になるところが不思議です。
 CDは16bitになるので、音のエネルギッシュな塊が無いと感じていたのはbit数の違いのようで、ソースによっては24bitと表示されていても16bitとの差異を感じないものもあり、レーベルによる違いもあるようでマスタリングの差なのでしょうか、レーベルによる違いも注意した方が良いようです。





鮮明なる赤さが眼に飛び込む、唐辛子だった

  ふらふらと歩んでいたら、畑の黒い土と緑の葉の中から鮮やかな赤色が眼に飛び込んできて離れない。少し秋めいた穏やかな陽射しに耀いてつやつやと光っている。よーく見ると唐辛子だった。唐辛子は瓶の中の朱色か干してかわかわになったくすんだ唐辛子ばかり見ていたので、実っている唐辛子の赤さに日常の中の驚きを見た。あれでふっくらしていたらパプリカに見える。それぐらい綺麗な赤なのである。



 背丈が低いので実っている唐辛子が大きく見えて、干して乾いた唐辛子と比べ物にならないほど立派である。生のまま刻んで炒めたらどんな味なんでしょうか、うーん食べてみたいですね。




ラロのスペイン交響曲を聴く

  交響曲とあるけれどヴァイオリンの音が綺麗なんで協奏曲かと思ってしまう。CDの音をさらに良くしようと思ってDSD256にサンプリングレートを上げたのだけど柔らかい音になっただけだった。音楽のエッセンスはどことなくスペインを思い起こさせるヴァイオリンの旋律が心地良い。



 ハイフェッツェのツィゴイネルワイゼンの曲解説を読んでいたら、サラサーテは希代のヴァイオリニストだったとのことで、このスペイン交響曲はサラサーテのために描かれた曲だった。どうりでヴァイオリンの独奏が多いわけです。ちなみにサンサースの序奏とロンド・カプリチオーソもサラサーテのために描かれた曲だそうで、サラサーテはスペイン人です。